「…不可解な動きするピョン」
「不可解とかじゃなくて火が強いの」
「強くした覚えはないピョン」
「弱くした覚えもないんでしょ」
「…」
「PGはマルチタスクが得意なんだと思ってた」
「司令塔とマルチタスクは関係ないピョン」
「いろいろ見ながら状況判断するから」
「勝手に焦げるやつは試合に出さないピョン」
「勝手に焦げたんじゃなくて深津が焦がしたんだからね」
「…」
「まぁ食べられないことないから、食べよ。いまお味噌汁つくるから、ちょっと待ってて」
「…俺は一生の料理食べる専門がいいピョン」
「えー!?私だってたまにはご飯つくってほしいんですけどー!?」
「…食べたいもの買ってくるピョン。不自由はさせないピョン」
「風邪ひいた時にはレトルトじゃないたまご粥が食べたいの、私は」
「……」
「はい、できたよ。ご飯よそってくれる?」
「…ピョン」
「…て、いうか、」
「?」
「一生、わたしのご飯、食べてくれるの…?」
「もちろんだピョン」
「…し、仕方ないなぁ」
「上から目線ムカつくピョン」
「作ってもらおうとしてるくせに!?」
の手料理を食べられるのは金輪際、原則俺とその家族だけピョン。覚えとけピョン」
「…!!」
「味噌汁、うまいピョン。…毎朝、食べたいピョン」
「よ、よかった……え、ねぇ、」
「今年中には籍入れるピョン」
「!!」
「食べ終わったら、スケジュールの確認するピョン」
「は、はい…」

(ねぇ、ちゃんとしたプロポーズして欲しいんだけど…)
(…考えておくピョン)



***


「何度だったピョン」
「…38.2°C」
「おとなしく寝るピョン」
「....はい」
「食欲はあるかピョン」
「...ん」
「じゃあ何か作るピョン。それ食べて薬飲むピョン」
「...コンビニの、」
「ん?」
「冷凍うどんに卵入れて食べる…」
「…を家にひとりにしたくないピョン」
「でも、」
「大丈夫だピョン。俺を誰だと思ってるピョン」
「…強火の深津」
「......ちょっと待ってるピョン」

、起きれるかピョン?」
「...ん、…いい匂い」
「たまご粥つくったピョン」
「え、」
「...体調悪い時はたまご粥食べたいって言ってたピョン」
「!ふか、っ…!」
「泣いてないで食べるピョン」
「な、泣いてないもん…」
「涙目だピョン」
「熱、あるから…!すごい…焦げてないね…」
「あたりまえだピョン」
「美味しい、ありがとう」
「..よかったピョン」
「でも、ネギとかつおぶし乗せるレシピ、よく知ってたね」
「...ピョン」
(もしもし、お母さん?どしたの?)
(あんた、もう体調はいいの?)
(え、何で知ってるの?)
(深津くんが「たまご粥の作り方教えてください」って電話くれたのよー。ほんとにいい人ねぇ)
(...え!?は!?いつの間に連絡先なんて交換してんの?)
(一緒に住み始める時に何かあったら、って言って交換したのよ、なに、あんた知らなかったの?)
(…)
(結婚式、楽しみねぇ)